事業計画 予算書 

      2022(令和4)年度事業計画書

    

1.仏教美術に関する調査研究事業  

@「日本における戒律と大乗仏教との関係を巡る諸問題」の研究
◇研究課題「中世天台戒家の思想と文化」 

◇共同研究者
・井上一稔 (当財団評議員、同研究委員会委員、同志社大学教授)
・赤尾栄慶 (当財団評議員、同研究委員会委員、京都国立博物館名誉館員)
・淺湫 毅 (当財団研究委員会委員、京都国立博物館連携協力室長)
・山川  曉 (京都国立博物館企画室長)
・大原嘉豊  (京都国立博物館保存修理指導室長)
・羽田 聡 (京都国立博物館美術室長)
・井並林太郎(京都国立博物館企画室研究員)
・船山  徹  (京都大学人文科学研究所教授)
・大谷由香  (龍谷大学文学部准教授)
・岩田朋子  (龍谷大学龍谷ミュージアム准教授)
・西谷  功  (泉涌寺宝物館「心照殿」学芸員)

                        (研究代表者は大原嘉豊)

 

◇研究目的
 
律は、僧伽の集団生活の維持のために生じた社会規範であり、仏教の発生初源に遡り、部派ごとに整理・維持された。インドの初期大乗仏教において大乗教団独自の律蔵は存在せず、部派仏教のそれが用いられたが、この事情は中国・朝鮮半島・チベット・モンゴルの大乗仏教においても同様であり、中国仏教では主として四分律が採用された。日本には鑑真(688〜763)によって四分律が齎され、東大寺、観世音寺、薬師寺、唐招提寺に戒壇が建立された。これにより、東アジアの国際標準に基づく僧侶の身分が担保されることになったが、釈迦在世時のインドとは時代・風土を大きく異にする日本での律の存在は矛盾を大きく孕むものであった。しかし、最澄(767〜822)により梵網経による大乗戒壇が設立された後は、いわゆる小乗戒ではなくて菩薩戒単受が採用されるに至り、後世にも大きな影響を与えた。これは日本仏教のみにみられる特殊な戒律の受容形態である。
この日本の戒律を巡る諸運動は、そのベクトルは正負逆転する場合もあるが、日本社会の社会構造の変化に仏教が向き合い、自らの存在の自覚と現状への適正化を図ったことが根底にあり、仏教が国民的宗教へと成長した原動力であった。本研究は、大乗仏教に基づく菩薩戒思想に注目したうえで、日本における戒律運動を考察し、日本仏教の特質の一面を明らかにすることで、それがわが国の仏教美術にどのような影響を与え、かつ造形化がなされたのかという問題を解明し、仏教美術研究全般の発展に貢献することを目指すものである。

 
◇研究計画

 本研究は「日本における戒律と大乗仏教との関係を巡る諸問題」をテーマに 21 年度から 2 年間にわたって取り組む。京都国立博物館で 21 年春に開催された「鑑真和上と戒律のあゆみ」及び 22 年春開催予定の「最澄と天台宗のすべて」の両特別展覧会と密接な関係を持たせながら実施する。
 22 年度は「中世天台戒家の思想と文化」をテーマとして、財団の柱の事業の一つ「研究発表と座談会」を、「最澄と天台宗のすべて」(4 月 12 日〜5 月 22 日)に合わせて 4月 29 日に京都国立博物館で開催する。
「戒家」とは中世天台宗において戒律復興を唱導した学僧を指し、日本の実情に沿って思想・教学面での刷新運動を展開しており、その言説は仏教史学・国文学で注目を集めるようになっている。神仏習合、本覚思想、口伝法門全盛時のため、その思想は神秘的な色彩も多分に帯びているが、彼らの言説が実際の造形活動に影響を与えていることが美術史学でも確認されるに至っている。
「最澄と天台宗のすべて」では、当時の天台戒家の第一人者であり、法勝寺流の基礎を築いた恵鎮円観の弟子、理玉和尚の創建した等妙寺に関わる文化財が出展される。等妙寺は京都・法勝寺の遠国四戒壇として重きをなした寺院であり、その旧境内は発掘が進み、史跡にも指定され、法勝寺流の教学を伝える文化財の調査も進められている。一方、その本寺にあたる滋賀・西教寺所蔵法勝寺伝来文化財、滋賀・聖衆来迎寺所蔵元応寺伝来文化財の調査も進められている。本研究発表は、近年の法勝寺流戒家の研究を基礎に今後の研究の展望を探るものである。
大原嘉豊氏(京都国立博物館保存修理指導室長)が司会を行い、舩田淳一氏(金城学院大学文学部教授)、鯨井清隆氏(大津市歴史博物館学芸員)、幡上敬一氏(鬼北町教育委員会教育課文化スポーツ係係長)がそれぞれ研究を発表。さらに 3氏による座談会を開催する。当日の概要を報告書第 49冊として 22年度内に刊行し、国内外の研究者、研究機関、図書館などに無料配布して研究に役立ててもらう。また一般市民には印刷原価で頒布する。


◇研究方法

a.新資料、必要な資料で未撮影のものは、その都度調査し、撮影する。
b.撮影原板、焼き付け、およびデジタルデータは、公益財団法人仏教美術研究上野記念財団の購入によることを明記し、京都国立博物館に寄贈する。
c.研究資料等は、その整理完了後、適宜一般研究者に公開する。
d.シンポジウム、研究座談会に際して、テーマに関する有用な資料を作成、配布する。

 

◇次年度以降の事前準備
次年度以降に設定する調査研究課題について事前準備を進める。

2.若手研究者育成を目的とした研究奨励金給付事業

 毎年、若手研究者研究奨励金給付選考委員会(11 人)が選んだ大学院博士後期課程在籍者 3 名(以内)に対して、奨励金としてそれぞれ20 万円を給付している。例年、選考委員会を開催して各委員の採点結果をもとに協議し、高得点であった 3 氏を候補者とする。22年度の研究奨励金給付者については 7 人の応募があり、3 月 11 日の選考委員会で、上位高得点 3人を内定者とし、補欠 1人を選んだ。理事会、評議委員会の承認を得た後、在学証明書の提出を受けて 4月末までに奨励金を支給する。

 


   2021年(令和3)年度事業計画書

    

1.仏教美術に関する調査研究事業

 

@「日本における戒律と大乗仏教との関係を巡る諸問題」の研究

共同研究者
・井上一稔 (当財団評議員、同研究委員会委員、同志社大学教授)
・赤尾栄慶 (当財団評議員、同研究委員会委員、京都国立博物館名誉館員)
・淺湫 毅 (当財団研究委員会委員、京都国立博物館学芸部連携協力室長[彫刻])
・山川  曉 (京都国立博物館企画室長)
・大原嘉豊  (京都国立博物館学芸部保存修理指導室長[仏画])
・羽田 聡 (京都国立博物館学芸部美術室長兼列品管理室長[書跡])
・井並林太郎(京都国立博物館学芸部美術室研究員[絵巻])
・船山  徹  (京都大学人文科学研究所教授)
・大谷由香  (龍谷大学文学部准教授)
・岩田朋子  (龍谷大学龍谷ミュージアム准教授)
・西谷  功  (泉涌寺宝物館「心照殿」学芸員)

             (研究代表者は大原嘉豊)

 

◆研究目的

  律は、僧伽の集団生活の維持のために生じた社会規範であり、仏教の発生初源に遡り、部派ごとに整理・維持された。インドの初期大乗仏教において大乗教団独自の律蔵は存在せず、部派仏教のそれが用いられたが、この事情は中国・韓国・チベット・モンゴルの大乗仏教においても同様であり、中国仏教では主として四分律が採用された。日本には鑑真(688〜763)によって四分律が齎され、東大寺、観世音寺、薬師寺、唐招提寺に戒壇が建立された。これにより、東アジアの国際標準に基づく僧侶の身分が担保されることになったが、釈迦在世時のインドとは時代・風土を大きく異にする日本での律の存在は矛盾を大きく孕むものであった。しかし、最澄(767〜822)により梵網経による大乗戒壇が設立された後は、いわゆる小乗戒ではなくて菩薩戒単受が採用されるに至り、後世にも大きな影響を与えた。これは日本仏教のみにみられる特殊な戒律の受容形態である。
  この日本の戒律を巡る諸運動は、そのベクトルは正負逆転する場合もあるが、日本社会の社会構造の変化に仏教が向き合い、自らの存在の自覚と現状への適正化を図ったことが根底にあり、仏教が国民的宗教へと成長した原動力であった。本研究は、大乗仏教に基づく菩薩戒思想に注目したうえで、日本における戒律運動を考察し、日本仏教の特質の一面を明らかにすることで、仏教美術研究全般の発展に貢献することを目指すものである。

 

◆研究計画

  本研究は「日本における戒律と大乗仏教との関係を巡る諸問題」をテーマに21年度から2年間にわたって取り組む。京都国立博物館で21年春に開催の「鑑真和上と戒律のあゆみ」及び22年春開催予定の「最澄と天台宗のすべて」の両特別展覧会と密接な関係を持たせながら実施する。
  21年度は「日本における梵網経と菩薩戒思想の問題」をテーマとして、財団の柱の事業の一つ「研究発表と座談会」を、「鑑真和上と戒律のあゆみ」(3月27日〜5月16日)に合わせて5月9日に京都国立博物館で開催する。船山徹氏(京都大学人文科学研究所教授)、大原嘉豊氏(京都国立博物館保存修理指導室長)、大谷由香氏(龍谷大学文学部准教授)がそれぞれ研究を発表。さらに3氏による座談会を開催する。当日の概要を報告書第48冊として21年度内に刊行し、国内外の研究者、研究機関、図書館などに無料配布して研究に役立ててもらう。また一般市民には印刷原価で頒布する。


◆研究方法

a.新資料、必要な資料で未撮影のものは、その都度調査し、撮影する。
b.撮影原板、焼き付け、およびデジタルデータは、公益財団法人仏教美術研究上野記念財団の購入によることを明記し、京都国立博物館に寄贈する。
c.研究資料等は、その整理完了後、適宜一般研究者に公開する。
d.シンポジウム、研究座談会に際して、テーマに関する有用な資料を作成、配布する。

 

A仏教美術資料の収集と研究

◆若手研究者育成を目的とした研究奨励金給付事業

  毎年、当財団の若手研究者研究奨励金給付選考委員会(11人)が選んだ大学院博士後期課程在籍者3名(以内)に対して、奨励金としてそれぞれ20万円を給付している。3月2日に開催した選考委員会で選んだ3氏から在学証明書の提出を受けて4月末までに支給する。




第1号議案   2020年(令和2年)度事業計画書

    

1.仏教美術に関する調査研究事業

 

@「聖地と巡礼」の研究

共同研究者
・井上一稔 (当財団評議員、同研究委員会委員、同志社大学教授)
・赤尾栄慶 (当財団評議員、同研究委員会委員、京都国立博物館名誉館員)
・淺湫 毅 (当財団研究委員会委員、京都国立博物館学芸部連携協力室長[彫刻])
・大原嘉豊 (京都国立博物館学芸部保存修理指導室長[仏画])
・羽田 聡 (京都国立博物館学芸部美術室長兼列品管理室長[書跡])
・末兼俊彦 (京都国立博物館学芸部工芸室主任研究員[金工])
・上杉智英 (京都国立博物館学芸部美術室研究員[書跡])
・井並林太郎(京都国立博物館学芸部美術室研究員[絵巻])
・下坂 守 (京都国立博物館名誉館員)
・大橋直義 (和歌山大学准教授)
・大高康正 (静岡県富士山世界遺産センター准教授)
・藤原重雄 (東京大学史料編纂所准教授)

             (研究代表者は羽田聡とする)

 

◆研究目的

 聖地を巡礼・巡拝することは、他の宗教と同様に仏教でも各国・各宗派で古くからおこなわれている、重要な信仰形態のひとつである。大陸の釈迦遺跡や五台山への参詣、日本の西国三十三所や四国八十八箇所など、多様なあり方が認められる。
 これらの聖地信仰は、そこに安置された仏像や神体などへの信仰を増進させ、その霊験や功徳を説く縁起絵巻や参詣曼荼羅といった絵画作品を生み出す土壌となった。さらに、仏教史に名を残す高僧も聖地巡礼をおこなったことが知られており、円仁『入唐求法巡礼行記』や成尋『参天台五台山記』といった仏教文献や絵巻「一遍聖絵」など高僧伝の成立に、巡礼という行為が大きく作用している。
 本研究は、日本における聖地への信仰と巡礼という行為について、上記に挙げた美術作品を取り上げながら多面的に考察し、仏教美術研究全般の発展に貢献することを目指すものである。


◆研究内容および計画

「聖地と巡礼」の研究は2年計画で取り組み、2019年(令和元年)度は「一遍聖絵と遊行上人縁起絵」をテーマに研究した。20202年(令和2年)度は「西国三十三所」に関わる作品のうち、とくに参詣曼荼羅を取り上げる。
 西国三十三所」は、三十三の観音霊場(札所)を巡る日本最古の巡礼路である。成立は奈良時代にまでさかのぼるともいわれ、二府五県(京都、大阪府、和歌山、奈良、兵庫、滋賀、岐阜県)を包括する総距離は千`に及ぶ。当初、修行僧や修験者たちを中心に行われてきた巡礼は、次第に地域的・階層的な広がりをみせ、彼らに伴われるかたちで武士や一般庶民も行うようになった。
 この聖地への巡礼が生み出した文化的所産は、観音について記す経典、霊験を説いた縁起絵巻、姿を可視化した仏画あるいは彫刻、さらには札所の歴史や功徳をわかりやすく説明した参詣曼荼羅や勧進状など、じつに多岐にわたる。いずれも多くの研究が存在する各作品にあって、とくに参詣曼荼羅は、美術史のみならず、歴史学や図像学といった多面的な成果が報告されており、本年4月11日から5月31日まで京都国立博物館で開催の特別展「聖地をたずねて─西国三十三所の信仰と至宝─」では、多くの参詣曼荼羅が展示される。
 これに合わせて期間中の5月9日(土)、「参詣曼荼羅の諸相」のテーマでその成立や解釈について考える「研究発表と座談会」(シンポジウム)を開き、新たな知見や課題を分野の境界を越えて参加者と横断的に共有するとともに、関連の仏教美術への関心を高める。
 また、シンポジウムの内容は「参詣曼荼羅の諸相 研究報告書第47冊」として年度内に刊行し、国内外の研究者、研究機関、図書館などに配布、一般市民には印刷原価で頒布する。


◆研究方法

a.新資料、必要な資料で未撮影のものは、その都度調査し、撮影する。
b.撮影原板、焼き付け、およびデジタルデータは、公益財団法人仏教美術研究上野記念財団の購入によることを明記し、京都国立博物館に寄贈する。
c.研究資料等は、その整理完了後、適宜一般研究者に公開する。
d.シンポジウム、研究座談会に際して、テーマに関する有用な資料を作成、配布する。

 

A仏教美術資料の収集と研究

研究グループを中心に、各地の研究者を募って新たな研究の視座を模索する。当財団は2020年2月に発足50周年(1970年2月1日設立)を迎えた。記念事業として、当財団と上野コレクションの作品を紹介する記念誌の作成を作成するとともに、京都国立博物館で「公益財団法人仏教美術研究上野記念財団設立50周年記念 新聞人のまなざしー上野有竹と日中書画の名品」の展示会を開催する。

 

2.若手研究者育成を目的とした研究奨励金給付事業

 毎年、当財団の若手研究者研究奨励金給付選考委員会(11人)が選んだ大学院博士後期課程在籍者3名(以内)に対して、奨励金としてそれぞれ20万円を給付している。3月2日に開催した選考委員会で選んだ3氏から在学証明書の提出を受けて4月末までに支給する。






    2019年度事業計画書

    

1.仏教美術に関する調査研究事業

 

@「聖地と巡礼」の研究

共同研究者

・井上一稔(当財団評議員、同研究委員会委員、同志社大学教授)
・赤尾栄慶(当財団評議員、同研究委員会委員、京都国立博物館名誉館員)
・淺湫 毅 (当財団研究委員会委員、京都国立博物館連携協力室長)
・山川 曉 (京都国立博物館企画室長)
・大原嘉豊 (京都国立博物館保存修理指導室長)
・羽田 聡 (京都国立博物館美術室長)
・井並林太郎(京都国立博物館企画室研究員)
・米倉 迪夫(東京文化財研究所名誉研究員)
・梅沢 恵 (神奈川県立金沢文庫主任学芸員)
・谷口 耕生(奈良国立博物館教育室長)

             (研究代表者は井並林太郎とする)

 

◆研究目的

 聖地を巡礼・巡拝することは、他の宗教と同様に仏教でも各国・各宗派で古くからおこなわれている、重要な信仰形態のひとつである。大陸の釈迦遺跡や五台山参詣、日本の西国三十三所や四国遍路など多様なあり方が認められる。これらの聖地信仰は、そこに安置された仏像や神体などへの信仰を増進させ、縁起絵巻や参詣曼陀羅といった絵画作品を生み出す土壌となった。さらに仏教史に名を残す高僧も聖地巡礼をおこなったことが知られており、円仁『入唐求法巡礼行記』や成尋『参天台五台山記』といった仏教文献や絵巻「一遍聖絵」など高僧伝の成立に、巡礼という行為が大きく作用している。本研究は、日本における聖地への信仰と巡礼という行為について、上記に挙げた美術作品を取り上げながら多面的に考察し、仏教美術研究全般の発展に貢献することを目指すものである。

◆研究計画

「聖地と巡礼」の研究は2年計画とする。初年度は「一遍聖絵と遊行上人縁起絵」を中心に、次年度は「西国三十三所」を取り上げる。
まず「一遍聖絵と遊行上人縁起絵」の対象となる時宗初祖一遍上人(1239〜89)と二祖真教上人(1237〜1319)は、念仏を広めるため日本各地を遊行したことで知られている。その事績は、国宝「一遍聖絵」や「遊行上人縁起絵」諸本に描かれており、祖師が足を運んだ聖地は今でも篤い信仰を集める。とくに「一遍聖絵」の風景描写は第一級のものとして高く評価されており、その表現にあたっては、水墨画技法の学習や、宮曼荼羅など先行図様の援用などが指摘されている。
京都国立博物館で4月13日から6月9日まで特別展「国宝 一遍聖絵と時宗の名宝」が開かれ、「一遍聖絵」全巻が公開される。これに合わせて期間中の4月20日(土)、「一遍聖絵と遊行上人縁起絵」のテーマで時宗祖師絵伝に描かれた聖地や遊行について考える「研究発表と座談会」(シンポジウム)を開き、中世仏教美術史における新たな知見や課題を参加者と共有するとともに、関連の仏教美術への関心を高める。
またシンポジウムの内容は「一遍聖絵と遊行上人縁起絵 研究報告書第46冊」として年度内に刊行し、国内外の研究者、研究機関、図書館などに配布、一般市民には印刷原価で頒布する。

◆研究方法

a.新資料、必要な資料で未撮影のものは、その都度調査し、撮影する。
b.既に撮影された学術写真の焼き付け、及びデジタルデータ化を行う。
c.撮影原板、焼き付け、およびデジタルデータは、公益財団法人仏教美術研究上野記念財団の購入によることを明記し、京都国立博物館に寄贈する。
d.研究資料等は、その整理完了後、適宜一般研究者に公開する。
e.シンポジウム、研究座談会に際して、テーマに関する有用な資料を作成、配布する。

 

A仏教美術資料の収集と研究

研究グループを中心に、各地の研究者を募って新たな研究の視座を模索する。当財団が2020年2月に発足50周年(1970年2月1日設立)を迎える。記念事業として、当財団を紹介するパンフレットの作成を作成するとともに、20年度に京都国立博物館で「上野コレクション」の展示会の開催するための準備を進める。

 

2.若手研究者育成を目的とした研究奨励金給付事業

 当財団の若手研究者研究奨励金給付選考委員会が選んだ大学院博士後期課程在籍者3名(以内)に対して、当該年度に限り20万円を給付する。2月25日に開催した給付選考委員会で選んだ3氏から在学証明書の提出を受けて4月末までに支給する。






 

 

 

平成30年度事業計画書

    

1.仏教美術に関する調査研究事業

 

@仏教美術における工房をめぐる諸問題の研究

◇共同研究者

・井上一稔 (当財団評議員、同研究委員会委員、同志社大学教授)

・赤尾栄慶 (当財団評議員、同研究委員会委員、京都国立博物館名誉館員)

・伊藤信二 (京都国立博物館企画室長)

・淺湫 毅 (当財団研究委員会委員、京都国立博物館連携協力室長)

・山川 曉 (京都国立博物館工芸室長)

・大原嘉豊 (京都国立博物館保存修理指導室長)

・羽田 聡 (京都国立博物館美術室長)

・井並林太郎(京都国立博物館企画室研究員)

・上杉智英 (京都国立博物館)

・皿井 舞 (東京国立博物館絵画彫刻室研究員)

・山口隆介 (奈良国立博物館研究員)

・佐々木守俊(岡山大学准教授)

・奥健夫  (文化庁、座談会の司会担当)

 

(研究代表者は淺湫毅とする)

 

◇研究目的

 仏教美術は、信仰の対象である反面、職能的手工業産品としての側面も有する。この観点は、その生産を可能にした体制、つまり工房の問題へと連動する。これに関しては社会経済史的観点からの先行研究も既に存在する所である。

仏師としての鞍作止利や聖徳太子の画師制度という部民制を基礎とした初期的段階からそれを基礎に確立した奈良時代の官営工房体制、及びその衰退後に展開する工房の存在様態には、供給に対する需要の側の動き、すなわち、需要の前提となる仏教美術の注文階層や経済史的要件はもちろんのこと、信仰的、様式的な問題など様々な検討課題が存在している。例えば、仏師、絵仏師については、平安時代中期、十一世紀に僧綱位が授与され、その社会的地位が確立したことが知られているが、その後、彼らが主に活躍する場となった仏所や絵所座についてはまだまだその史的展開については考えるべき余地がある。更に、金工などの工芸分野に目を転じると、未解明の点が多く、彫刻・絵画分野との落差とその原因など大きな問題として横たわっている。本研究では、かかる仏教美術の生産の主体となった工房の実態やその展開に迫ることを目的とする。 絵画・彫刻・書跡・工芸などの諸分野を縦断する形で資料を収集し、研究を行う。加えて、資料の公開、研究座談会の開催を通じて仏教美術研究の発展に資せんことを期するものである。

◇研究計画

本研究は、平成29年度からの2カ年の継続事業とする。平成29年度は絵仏師に関する諸問題が中心テーマだったが、平成30年度は木彫像を中心として立体の仏像製作にたずさわった仏師と、その工房である仏所に関する調査研究を重点的に行う。さらに、未刊行の文献史料を収集する。これらの成果は、研究者らを対象にしたシンポジウム(平成30年9月2日開催予定)で公開、発表するとともに、平成3088日〜99日に京都国立博物館で開催予定の特集展示「百万遍 知恩寺の名宝」および名品ギャラリー「日本の彫刻」の展示内容に反映させ、一般市民にも還元する。

シンポジウムの内容は『研究発表と座談会 仏師と仏所をめぐる諸問題』(研究報告書第45冊)として平成30年度内に刊行し、国内外の研究者、研究機関、図書館などに配布、一般市民には印刷原価で頒布する。

◇研究方法

a.新資料、および必要な資料で未撮影のものは、その都度調査し、撮影する。

b.既に撮影された学術写真の焼き付け、及びデジタルデータ化を行う。

c.撮影原板、焼き付け、およびデジタルデータは、公益財団法人仏教美術研究上野記念財団の購入によることを明記し、京都国立博物館に寄贈する。

d.研究資料等は、その整理完了後、適宜一般研究者に公開する。

e.シンポジウム、研究座談会に際して、テーマに関する有用な資料を作成、配布する。

 

A仏教美術資料の収集

京都府寺院重宝調査台帳や敦煌写経をはじめ貴重な仏教美術作品などのマイクロフィルムのデジタルデータ化を進め、調査研究の活性化を目指す。研究グループを中心に、各地の研究者を募って新たな研究の視座を模索する。

 

2.若手研究者育成を目的とした研究奨励金給付事業

 当財団の若手研究者研究奨励金給付選考委員会が選んだ大学院博士後期課程在籍者3名(以内)に対して、各学年20万円を給付する。39日の給付選考委員会で選んだ村上幸奈、宮ア晴子、因幡聡美の3氏から在学証明書の提出を受けて4月末までに支給する。

以上


 











  



 
 
 

 
平成25年度事業計画書

事業計画の概要

1.仏教美術に関する調査研究事業
□研究課題  「南山城地域を中心とした仏教文化の伝播と変容」を主題として2か年計画で研究する。
           25年度を初年度とする。
□研究組織   赤尾栄慶氏らによる共同研究
□事業費     236万円
                               (別紙に調査研究計画書)

2.若手研究者への研究奨励金給付事業
□目  的     大学院等で仏教美術を学ぶ前途有為な研究者を育成、支援するため研究奨励金を給付する。
□内  容     大学院博士後期課程在籍者3人に対し、各年額10万円を給付する。
□事業費     37万円。25年度が実施初年度にあたる。26年度受給者については25年12月から募集を
           始め、26年3月に開く選考委員会で選考する。


 

 
仏教美術に関する調査研究計画書

◇研究課題  南山城地域を中心にした仏教文化の伝播と変容

◇共同研究者
  ・井上一稔 (当財団評議員、同研究委員会委員、同志社大学教授)
  ・藤岡 穣  (大阪大学大学院教授)
  ・田中健一 (大阪大谷大学講師)
  ・赤尾栄慶 (当財団研究委員会委員、京都国立博物館上席研究員)
  ・淺湫 毅  (当財団研究委員会委員、京都国立博物館保存修理指導室長)
  ・宮川禎一 (京都国立博物館企画室長)
  ・山川 曉  (京都国立博物館教育室長)
  ・大原嘉豊 (京都国立博物館研究員)
  ・末兼俊彦 (京都国立博物館研究員)

◇研究目的
 

◇研究計画
 

◇研究方法
  a.新資料、および必要な資料で未撮影のものは、その都度調査し、撮影する。
  b.既に撮影された学術写真の焼き付けを購入する。
  c.撮影原板、焼き付け、および購入写真は、公益財団法人仏教美術研究上野記念財団の購入によることを明    記し、京都国立博物館に寄贈する。
  d.研究資料等は、その整理完了後、適宜一般研究者に公開する。
  e.シンポジウム、研究座談会に際して、テーマに関する有用な資料を作成、配布する。

 

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